女王(テミス)の教室を法科大学院修了生が見て思ったこと

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女王(テミス)の教室とは

女王(テミス)の教室とは、2023年第1クールのフジテレビ系列で放送されているドラマです。

法科大学院(ロースクール)を舞台にしている物語であることから、私も以前法科大学院に在籍していたことがあったため、親近感を感じ、見てみることにしました。

第1話が放送されたので、その感想を踏まえて、法科大学院あるあるなどもお伝えしていけたらと思います。

法科大学院(ロースクール)とは

法科大学院(ロースクール)とは、簡単に言えば、司法試験合格に向けての教育を施す専門の大学院です。

法科大学院は、「法曹(弁護士、検察官、裁判官)養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクール」です。多様な問題に対応できる質の高い法律家を養成するために2004年(平成16年)4月に創設されました。現在は全国に43校(2018年4月現在)。法科大学院では、少人数制での教育を前提とし、双方向・多方向の授業、実務研修や体験学修など密度の濃い授業が行われ、研究者教員に加え、実務家教員も積極的に教壇に立つなど、理論と実務をバランスよく修得するプロセスをめざします。コース設定は社会人をはじめ、さまざまなバックグラウンドの人材を確保するために、未修者を対象とした3年コースと、法学既修者を対象とした2年コースを用意しています。なお、法科大学院の制度上の位置づけは、高度専門職業人を養成する「専門職大学院」です。

https://www.law-school.jp/lsgd/gd/gd01.html

現在、司法試験は誰でも受験できる試験ではなく、受験資格を得なければ受験することができません。

受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか司法試験予備試験に合格するほかありません。

因みに、法科大学院が創設される前の司法試験は受験資格に制限のない試験でした。

誰でも受験できたため、受験経験がある方も多いのではないでしょうか。

なぜ法科大学院(ロースクール)が創設されることになったか

法科大学院が創設される前の司法試験は、自分一人で勉強を進めることが求められました。

しかし、参考書を揃えたところで、どう勉強すれば合格できるのか不明確なことが多々あります。

そこで、当時の受験生は、司法試験予備校(辰巳法律研究所、LEC東京リーガルマインド、伊藤塾等)に通い、講座や答案の指導等を受けていました。

そうすると、何が起こるかというと、受験生がほぼ同じような答案を書くようになったのです。

これにより、答案が金太郎飴化している、マニュアルに沿ったような答案で実務的ではないとかいうように試験委員から揶揄されることになりました。

そこで、このような合格に特化したような勉強ばかり行う試験はダメだということで、法科大学院が創設し、知識に片寄らない法教育を目指すことを求めるようになりました。

このようにして、法科大学院が誕生したのです。

法科大学院(ロースクール)の現状

しかし、法科大学院を創設したところで、当局が臨んだ形にはなりませんでした。

結局、法科大学院の講義だけでは司法試験に合格できるような答案を書くことは殆どできません。

なぜなら、法科大学院では、授業で殆ど答案を添削したり、講評したりしてくれないからです。

そこで、学生は当局が忌み嫌っていた受験指導予備校を利用し、仲間内で答案を書いて添削し合うゼミで勉強を進めることが定番になってしまいました。

私のように、法科大学院の授業をうまく活用できなかった者は、法科大学院で得たものが殆どないというような状況にもなってしまいます。

法科大学院をうまく活用できれば良いのですが、これがなかなかに難しいのです。

因みに、優秀な学生は法科大学院をうまく活用して、無難に試験を突破していきました。

懲役3年、罰金400万円

このようなセリフがあったのですか、このセリフが何かお分かりになるでしょうか?

法科大学院に入ったら、刑務所に行かなければならないということではありません(念のため)。

これは、司法試験を受験するために、原則3年間法科大学院に在籍し、学費を支払わなければならないというものです。

この状況を揶揄して、懲役3年、罰金400万円と言っているのです。

予備試験に合格できないから仕方なく法科大学院に通っている

このようなセリフもありましたが、これは当たっていると思います。

私も、予備試験合格に向けて勉強しましたが、結局合格することはできませんでした。

予備試験に合格できれば、法科大学院を退学できるので、それを狙っている学生は多かったです。

しかし、法科大学院の授業と並行して予備試験を受験するのはなかなかにハードルが高いです。

司法試験に必要のない知識は無意味

このようなセリフもありましたが、合格だけを考えると、これは正解です。

よく実務で必要だから…と言って、余分な勉強をする学生がいますが、これは合格のためには殆ど意味がないことが多いです。

結局、学んだ内容を答案に落とし込めないと意味がないのです。

よく言われていたのは、答案に示すことができない知識は知っていないものと同然であるということです。

もう少し早く諦めるべき

これは、今年30歳になる法科大学院修了生が言われていたことですが、これもよく言われていました。

司法試験は法科大学院終了後5回までしか受験できないので、受験回数を全て使う頃には30歳くらいになっていることが多いです。

例にもれず、私も、5回目で合格いたしましたので、周りから「いい歳していつまでやっているんだ」「早く見切りを付けないととんでもないことになるぞ」とか散々言われました。

確かに、職歴のない30歳ともなると、司法試験がダメだった場合には、就職活動が難航することがあり得ます。

しかし、最後のチャンスで合格していく学生も多いので、このセリフは何とも言えないところです。

藍井先生のゼミに入らなければ合格はできない

藍井先生というのは、このドラマの登場人物で、東京大学法学部在学中に予備試験・司法試験を突破したスーパーエリートの先生で、その先生が開くゼミから合格者が排出されるという設定になっています。

これもよく言われていました。

「〇〇先生の講座を受講してない人は合格できない」「〇〇ゼミに入っていないと合格できない」とかいうものです。

確かに、〇〇ゼミから多数合格者が出ているということはありますが、これは単にゼミ生が優秀だからということもあり得ます。

○○先生に師事していなければ合格できないとは思いませんが、○○先生に師事していることで正しい勉強ができている、今やっている勉強に自信が持てると思えることが重要なのかもしれません。

自分のやっていることが本当に正しいのか疑い始めたら勉強が手に付かないことにもなりかねないので、有名な講座を受講したり、有名な先生から直接指導を受けることは重要な場合もあります。

まとめ

今回は、テミスの教室をみた感想を徒然なるままに書かせていただきました。

ドラマはまだまだ続くので、また法科大学院あるあるやドラマの感想を書いていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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