地政学とは
地政学とは、国の特性や政策を地理的な要素から研究する学問のこと(https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/052700379/)です。
最近では、投資ブームが起こっていることもあり、よく「地政学的リスク」を考慮して…とか言われたりします。
米国株が堅調だが、地政学的リスクを考えたら全世界株に投資をした方が良いのではないかともよく聞いたりします。
地政学とは、分かりやすくいえば、歴史と地理を融合したような学問でしょうか。
これが理解できると、世界覇権を窺うこともできてしまうため、日本の場合は戦後GHQにより、地政学を学ぶことが禁じられたようです。
そういうこともあり、戦後長らく日本では地政学という言葉すら全く馴染みのないものになってしまいました。
今回は、現在、地政学を勉強中である私が調べて分かった各国(今回はG7)の世界戦略及び立ち位置等について書かせていただきたいと思います。
G7とは
念のため、G7について説明させていただきます。
G7とは、Group of Sevenの略で、先進国のリーダー的存在となる7か国のグループのことです。
詳しくは日本銀行のHPで紹介されております(https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/intl/g02.htm/)。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本の7か国です。
因みに、2014年のロシアによるクリミア侵攻まで、これにロシアを加えてG8と呼ばれていました。
2023年に、G7のサミットが岸田首相の地元広島で行われることが決定しております。
G7の一角に入るためには、伝統と経済力等が必要になってきます。
このG7に入ることこそが国の威信ににもつながるといえます。
因みに、伝統と経済力を誇る中国がなぜG7に入っていないのかといえば、おそらく中国は反欧米体勢(権威主義、共産主義)のため、G7と価値観(民主主義、自由主義)を共有しないことが原因かと思われます。
日本は、現在、世界で落ち目のいわゆるオワコン国家だと言われることもありますが、依然として日本の世界での影響力は目を見張るものがあり、日本は世界の中で頼れる存在として認知されていることも事実です。
G7の中で、日本だけが唯一アジアからの参加となっており、また、英語(欧米系の言語)を母語しないことも注目に値すべきことだといえます。
その意味では、日本はG7の中で異質な存在ともいえます。
アメリカの地政学的戦略
アメリカは、言わずもがな現在の世界最強国・世界覇権国であり、経済・文化・軍事のあらゆる面で世界をリードしています。
アメリカの地政学的有利な点は、その立地と国土の大きさにあるでしょう。
まず、語弊があるかもしれませんが、アメリカはほぼ島国と言えます。
国境線がカナダとメキシコしかなく、広大な海岸線を持ち、両サイドに大きな海を持ちます。
防御力が最強です。
また、排他的経済水域が世界で2番目に広いことも有利な点といえるでしょう。
国土が広い上に、広大な海も持つ、まさに資源の宝庫といえます。
しかしながら、そんなアメリカも世界で影響力を維持するためには、一定程度ユーラシア大陸、アフリカ大陸にも進出しなければなりません。
因みに、アメリカは、南米に関しては、ほぼアメリカ寄りの国家を樹立させることに成功しています。
北米・南米大陸は、語弊をおそれずにいえば、アメリカの庭ともいえるような状況になっています。
ユーラシア・アフリカに影響を持つためには、ドル経済を浸透させ、最強の海軍(シー・パワー)で世界を押さえなければなりません。
アメリカは、シー・パワーで世界を押さえるために、同盟国等に自軍を駐留させています。
この自軍の海外展開を進めるためには、各国との同盟が欠かせません。
特に、アメリカのNATOでの同盟、日米同盟等は中国やロシアを牽制するためには欠かせません。
もしこの同盟がなくなると、アメリカは太平洋、大西洋、ユーラシアに影響を持つことができず、世界覇権を維持することが難しくなります。
また、アメリカはドル経済を浸透させることで世界の経済を間接的に支配することにも成功しています。
貿易等の国際的な決済はすべてドルで行われますから、ドルの需要がなくなることはありません。
アメリカの地政学的キーワードは、国土・排他的水域の大きさ、同盟維持、ドル経済にあるといえます。
イギリスの地政学的戦略
イギリスといえば、かつての覇権国家、大英帝国の繁栄といったイメージが強いのではないでしょうか。
そんなイギリスも二度の世界大戦で国土は荒廃し、莫大な借金を抱えることにより、覇権国家から転落し、今ではヨーロッパの一つの国という位置付けになっています。
それでも、今なお世界で5番目の経済力を有する国ですが。
イギリスは島国なので、防御力は抜群です。これまで幾度となくイギリスを陥落させようとした国はありましたが、結局イギリスを攻め落とすことはできませんでした。
イギリスはヨーロッパの一つでありながら、EUを脱退するというような独自路線を歩んでいます。
最近では、アジア太平洋地域にも関心を抱いており、日本とのつながりを強化する意図もみえます。
イギリスのキーワードは、シー・パワーと英連邦ではないでしょうか。
特にイギリスは大英帝国時代に英語やイギリス流の価値観(民主主義、資本主義、自由主義)を世界中に浸透させ、自国の仕組みを世界に広めました。
しかも、イギリスの旧植民地には発展が大いに予想される国が多いです。
代表的な国でいうと、インド、シンガポール、マレーシア、エジプト、ケニア、南アフリカ、ナイジェリアなどでしょうか。
イギリスは、日本と違い、まず英語で世界中と交流することができるため、ビジネスを展開していくことに難があまりありません。
これから、イギリスは、英連邦をはじめとする世界との交流を中心にうまく経済を伸ばしていくものと思われます。
イギリスの凄いところは、選択を誤らないところです。
なんやかんやで、イギリスの選択についていった方が結果良いということが多いように感じます。ですから、EU離脱の件も結局正しく選択になる可能性があります。
長くなりそうなので、他の国は別の記事で紹介します。
G7の他の国は、別の記事で紹介いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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