条文素読をやるべきだとは言われるが、どうやればいいの?
司法試験の勉強を続けていたら、誰もが条文を読むべきだという言葉を耳にしたことはあると思います。
しかしながら、それと同時にただ漫然と条文を読んでいるだけでは目で文字を追っているだけであまり身になっていない感じがすると感じた方もいらっしゃると思います。
現に私がそうで、音読したり目で追ったりして見るも、何の効果も得られていないと感じていました。
そして、いつしか条文を素読することはやめてしまいました。
その中で、私は、ある講師の方から効果的な素読の仕方について教わり、それを実践したところ、適切に素読を行うことができるようになり、終いには六法だけで勉強ができるようになったので、今回はその方法について紹介させていただきます。

素読は常に文言、その解釈及び文言絡みの論点を意識して行う
判例が行う解釈や規範定立は、条文上の文言からは一見すると明らかではないことから生じていることが殆どです。
すなわち、条文上の文言がすべてのスタートになっているといえます。
私は、条文上の文言から論点や解釈は生まれるため、条文の趣旨、文言、論点及び解釈を紐づけられるようにすることこそが司法試験の勉強の核心であり、条文素読もそれを目指して行うべきであると考えます。
理想は、試験の直前期には六法の条文を見れば、論点と文言解釈が見える状態にしておくことです。
これさえできれば、どんな問題が出ても、条文の趣旨、文言、解釈をもとに答案を作ることができるので、怖いものはありません。
因みに、論文の大まかな枠は、論点→条文の趣旨→文言解釈→あてはめ→結論ですので、条文素読のときにこの姿勢が徹底できれば、条文素読をしながら頭の中で答案を組み立てることすらできます。
具体例1(憲法)
たとえば、私は憲法の条文を以下のように素読していました。
1 憲法14条の場合
憲法14条の趣旨は何か。
「国民」の意義は何か。
「法の下」の意義は何か。
「平等」の意義は何か。
14条のリーディングケースとなった判例は何か。
2 憲法41条の場合
「国権」とは何か。
「最高」とは何か。
「唯一」とは何か。
「立法」とは何か。
以上のような形で条文を解釈しながら、論点を意識して、素読するようにしていました。
具体例2(民法の場合)
民法94条を例に挙げます。
94条の趣旨は→権利外観法理
94条1項の「通じてした」→通謀虚偽表示
94条2項の「善意」→単純善意、取得時を基準とする
94条2項の「第三者」→意義の解釈、第三者の例
94条絡みの論点を抽出(転得者、登記の有無、類推適用等)
上記のような項目(漏れがあったら済みません)を芋づる式に抽出しながら条文を読みます。
まとめ
以上のように、条文素読は、条文の趣旨、文言、論点、解釈を逐一行っていくことで真に実りあるものになると考えます。
ただ漫然と読むだけでは時間の無駄になりかねません。
良かったら、参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
難関資格試験の通信講座ならアガルートアカデミー
コメント